前回まで、バリア機能を破壊する原因を紹介してきましたが、今回は具体的に、バリア機能が美肌になるスキンケア方法(前半)を紹介していきます。
バリア機能を高めるスキンケアに高価な化粧品や特別なものはいりません!その名も「しないスキンケア」です。
記事の最後には、「しないスキンケア」実践中の私の経過報告もお届けします。
最近なんだか調子が悪い!という方は参考にしてみてください。
皮膚のバリア機能を高めるためのスキンケアとは?
スキンケアという言葉を聞くと、「肌に何かをつけること」をイメージすると思います。つまり、洗顔料や石鹸でせっせと洗い、洗い流した分、化粧水やクリームを付けて肌に潤いを与えるといったものです。
しかし、スキンケアとは本来、「肌を常に良い状態に保つこと」を言い、必ずしも肌に何かつけることや、洗うことだけを意味しているわけではありません。
前回までの記事で肌のバリア機能や、肌には美肌になるための機能が備わっていることについては紹介してきました。



ここまで読んでくださった方ならわかると思いますが、「洗いすぎない・付けない」ということがバリア機能を保つには最善の方法です。
肌は人体で最も外側にあるために、簡単に何かをつけることができます。そのために、何をつけるかによって、肌のコンディションは大きく変わります。しかも毎日使用するものであれば、肌への影響は時間とともに大きく変わっていきます。
肌のバリア機能を常に良い状態に維持するには、肌に悪影響を及ぼすものを避け、自らが作り出す保膣成分や美容成分をなるべく残すスキンケアが理想的です。
そのために心がけたいのが「しないスキンケア」です。
具体的には、角質細胞間脂質や天然保湿成因子、皮脂といった重要な美肌成分を守るために、これらに悪影響を及ぼす行為を極力避けること。つまり「何も付けないこと」を目標としていきます。
最初はきついかもしれませんが、肌荒れ・ニキビはもちろん、乾燥肌やしみ・くすみにも改善が見られ、すっぴんに自信が持てるようになっていくようですよ。
やるなら一気にやらないと失敗する
「しないスキンケア」において、最初に実行すべきことは「脱スキンケア」です。
普段使用している化粧水・乳液・美容液・クリームなどをすべてやめてしまいます。
ここで大事なのは、「全てのスキンケアを同時にやめる」ということ。
引き算スキンケアで多くの人がやりがちなのが、1つずつスキンケアをやめていくという方法です。しかしこれをすると、なかなかバリア機能の回復を実感できず挫折しやすくなるデメリットがあります。
過去の私のように中途半端なやめ方をすれば、肌のバリア機能が回復する実感が持てずに、本当に基礎化粧品をやめて良いかと不安を感じてしまいます。
肌のバリア機能が回復している実感は、人によって個人差がありますが、「肌がなめらかになった」とか「肌に透明感が出てきた」とか「くすみが減り肌の色が明るくなった」と感じる人が多いようです。
ただし、回復するためには時間がかかります。今まで行っていた「洗浄する・つける」スキンケアのダメージが多ければ多いほど、天然保湿因子や角質幹細胞脂質が不足した状態に陥っており、洗顔後につっぱり感やチクチク感が起こってしまいます。
このような乾燥肌の期間が、季節の違いや個人差はありますが、2~3週間は持続しまうようです。この間に不足していた天然保湿因子や角質細胞間脂質が徐々に回復し、洗顔してもつっぱり感の少ない肌に変わっていくため、それ以降は何を付けなくても乾燥しにくい、潤いのある肌になっていくことになります。
乾燥肌の期間は、夏では冬より短く、男性では女性より短いようです。
これは夏では湿度が高いこと、汗をかきやすいために肌が乾燥しにくく、男性では女性よりも皮脂の分泌量が多いですために乾燥しにくいと考えれます。
では、この乾燥肌の期間をどう乗り切るかということですが、それは「ワセリン」を塗りましょう。
肌に影響を与えないからワセリンが良い
「しないスキンケア」をはじめると、肌のバリア機能は徐々に回復していきます。ただし、十分に回復するまでは、つっぱり感やチクチク感といった乾燥肌の症状が発生します。
こうした不快感が気にならない場合は、何も付けなくても構いません。
そして、肌のバリア機能の回復とともに、不快感はいずれ全く気にならなくなっていきます。つっぱり感やチクチク感があるということは、その分バリア機能が乱れているという証拠です。
もちろん、今までのスキンケアを再開すれば、すぐにこうした不快感はなくなるかもしれません。しかし、それでは永遠にバリア機能を回復することはできず、化粧水やクリームがなければ生きていけない肌のままです。ここはグッと耐えましょう。
そうはいっても乾燥による肌の痒みや赤みはとても辛いですね。そこでバリア機能に極力ダメージを与えずに、乾燥肌の症状をなくすことができるワセリンを使うのです。
ワセリンを乾燥が気になる部位に塗ると、皮膚の最も外側を覆っている角質層の表面に油の膜を張り、内側から水分が蒸発し乾燥するのを防ぐことができます。
これは皮脂の働きと同様であるため、ワセリンは皮脂の代用になるのです。
ワセリンの塗り方にも注意があります。
ワセリンをたくさん塗ると、その分乾燥は改善しやすく感じるかもしれませんが、実は必要量はほんのんわずかでよく、綿棒の先っぽ半分程度です。付けすぎると、油分過多でニキビができたりします。
ワセリンは乾燥が気になる部分にだけ、必要最低限塗りましょう。多くの場合は目の周りやフェイスラインなどです。
ワセリンについては、色々な意見がありますね。
よく言われるのがワセリンはあくまで油なので、水分を与える保湿の役割はなく、保湿剤としては不十分だという点です。
しかしむしろ「しないスキンケア」においては水分を与えず、ただ角質層の上に油の膜をはり、内側からの水分の蒸発を防いでいるだけということがメリットなのです。さらに、ワセリンは肌に刺激性がほとんどなく、酸化しにくいという点から安心して使うことができます。
洗顔については次回書いていきますね!
しないケア8日目:皮が剥けてきた
「しないスキンケア」を実践して8日が経過しました。
平均2~3週間で肌のバリア機能が回復してくるということですが、早速バリア機能の改善を実感してきています。
私は乾燥したり、暴食したり、マスクを長時間するとすぐにニキビができてしまうのですが、その点、全くニキビができなくなりました。
たまにプチッと赤みが出たりするのですが、ニキビになる前に治っている感じです。
さらに、皮が剥けはじめました。
今肌を触るとかなりザラザラしているのですが、多分これは剥けるんだろうなというのが実感としてわかります。たまに触っていないのに勝手に皮が浮いていたりして「あぁ自然に皮膚の細胞は剥がれていくものなのだなぁ」と自分の肌の力に驚いています。
とはいえ、私の肌は長い間バリア機能が弱まり、過剰なスキンケアのせいで細胞が強制的に剥がれて落ち、未熟な細胞になってしまっています。なので元気な細胞が出てくるまでには結構な時間がかかると覚悟しています。
ただ、今は在宅なのであまり辛くなくて、唯一辛い点はカバー力のあるファンデーションを使えないことですかね。
デートとか遊びにいくときは、やっぱりカバー力の高いファンデーションを使いたいです。現在目下試行錯誤中ですので、乞うご期待!メイクアップ方法やおすすめメイクブランドについても今後紹介していきます。